中国茶の時間

【中国茶の時間「茶詩・漢詩と中国茶と」】小満のころ

二十四節気の「小満(しょうまん)」が近づくころ。 春の新茶2種類を味わいました。一つめは、「黄山雀舌(こうざんじゃくぜつ)」。 安徽省にある世界遺産、黄山にある茶園で作られた茶葉です。 葉というよりも、まだ芽の状態の小さな茶葉です。 淡い清らか…

【中国茶の時間「茶詩・漢詩と中国茶と」】小雪のころ

中国茶の時間「茶詩・漢詩と中国茶と」毎回、二十四節気の暦にちなんだ中国茶と漢詩、点心を味わう 中国茶の時間「茶詩・漢詩と中国茶と」。 11月は「小雪(しょうせつ)」がテーマ。 広西省の桂花(キンモクセイ)と、 安徽省で作られた、いぶした香りの祁…

【中国茶の時間「茶詩・漢詩と中国茶と」】中秋のころ

毎月、季節に沿った花茶と中国茶、点心を楽しみ、 時候の漢詩に親しんでいます。 今月は、九月九日の「重陽(ちょうよう)」、 そして八日の「中秋」にまつわる漢詩二編が紹介されました。 一つめは、北宋の詩人、魏野(ぎや)の「白菊」。 晩秋の夜、群がっ…

【中国茶の時間「茶詩・漢詩と中国茶と」】大暑のころ

一年で最も暑くなる時期、二十四節気の「大暑(たいしょ)」ももうすぐ。 夏の暑さをいっそ楽しんでしまおうという趣向で、 漢詩を二編、ご用意いただきました。 昼の暑さを詠んだ「夏昼偶作」と、夜の暑さを詠んだ「納涼」です。 まず、冷たい「梅子湯」で…

【中国茶の時間「茶詩・漢詩と中国茶と」】雨前のころ

今年初めての中国茶の時間「茶詩・漢詩と中国茶と」。 教室も新学期を迎えました。 中国茶も漢詩も、この季節ならではのものが選ばれました。4月5日の節気「清明」と4月20日の「穀雨」にはさまれた期間は「雨前(うぜん)」といわれ、 この時期に摘まれた茶…

【中国茶の時間】「茶詩・漢詩と中国茶と」冬至のころ

北半球では日が最も短くなる「冬至」のころ。 日本では、かぼちゃを食べたり、ゆず湯などが知られていますが、 古代中国の宮廷では、冬至は「元旦の儀」と同じくらい、 大切にされた節気だったのだそうです。 今月は、唐の詩人・白居易の「邯鄲冬至夜思家」…

【中国茶の時間】「茶詩・漢詩と中国茶と」霜降のころ

暦の上では、北国に霜が降りはじめる節気「霜降」のころ。今月の花湯は、今年の秋に咲いたキンモクセイのお茶でした。 福建省のキンモクセイは、桃のような甘い香りがするのが特長です。 点心の焼きまんじゅうといただきました。 十月の漢詩は、もうすぐ見頃…

【中国茶の時間】「茶詩・漢詩と中国茶と」重陽のころ

夏休みをはさんで2か月ぶりの中国茶会は、 二十四節気の「重陽(ちょうよう)」がテーマ。 前日の9月9日が、ちょうど重陽でした。 奇数で最大の「9」が重なる日で、 中国ではおめでたい日とされているそうです。 みなさんが揃うのを待つあいだに、 花湯…

中国茶の時間「茶詩・漢詩と中国茶と」大暑のころ

一年のうちで最も暑さがきびしくなる「大暑」のころ。 夏の暑さにちなんだ漢詩二編を読み、 お好きな一節を和紙に書き写しました。 その漢詩をご紹介します。 一つめは、「夏日題悟空上人院」。 晩唐の詩人、杜荀鶴(とじゅんかく)による詩です。 「暑い盛…

中国茶の時間「茶詩・漢詩と中国茶と」夏至のころ

太陽が夏至点を通過し、北半球では昼が最も長くなる頃。 今月のお教室は、間近に迫った「夏至」がテーマでした。 今月の漢詩は、タイトルそのものが「夏至」。 北宋と元の間の、短い期間の「金」時代の詩人、 趙 秉文(ちょう へいぶん)の作です。 七言絶句…

中国茶の時間「茶詩・漢詩と中国茶と」小満のころ

この日は、二十四節気の「小満」。 春に咲いた花の実が、なり始める頃。 今日決まったことは、大方うまくいくとされる日です。 日本では桜や桃、ぶどうの実がつきはじめ、 中国では、杏や梨、なつめの花が咲き、実をつけ始める時季だそうです。 今月の漢詩は…

中国茶の時間【茶詩・漢詩と中国茶と】春分のころ

太陽が春分点に届き、昼と夜の長さが等しくなる頃。 「春分」にちなんだ漢詩を書き、お茶と点心を味わいました。 この日の漢詩は、晩唐の詩人、杜牧(とぼく)の「題禅院」。 杜牧は、唐時代に活躍したエリートだそうです。 大杯になみなみと入れた酒を飲み…

中国茶の時間【茶詩・漢詩と中国茶と】

雪が溶け、水が温み、草木が芽を出し始める 二十四節気の「雨水」の頃。春を告げる花「梅」にちなんだ漢詩二編の中から お好きな一節を和紙に書き写しました。 一つめは、初唐の詩人・張説(ちょうえつ)の「幽州新歳作」。「幽州での春は、雪が梅花のように…

中国茶の時間「茶詩・漢詩と中国茶と」冬至のころ

日の短きこと至る「冬至」のころ。 まずは花湯「柚子湯」で、香りを楽しみました。 きょうの漢詩は、清の皇帝・乾隆帝が詠んだ「除夕〈じょゆう〉」。 除夕とは、旧暦の大みそかのこと。 乾隆帝が皇帝在位60年を迎えた年に、 自らを振り返る詩。 皆さんそれ…

中国茶の時間「茶詩・漢詩と中国茶と」小雪のころ

北の地方から雪のたよりが届く、小雪のころ。 まず花湯は、「八宝茶」をいただきました。 八宝茶には何を入れてもよいといわれますが、 この日は、菊花、メイクイ、桂花、柚子、生姜、 クコ、なつめ、くるみ、恩施玉露(緑茶)をブレンドした豪華版。 蓋碗に…

中国茶の時間「茶詩・漢詩と中国茶と」大暑のころ

一年で最も暑くなる時期とされる、二十四節気の大暑のころ。 まず、冷たい酸梅湯で涼を取り、お稽古をはじめました。今月は、陸羽の「六羨歌」を冊に書き写しました。 その詩の全文はこちらです。 「不羨黄金壘 不羨白玉杯 不羨朝入省 不羨暮入臺 千羨萬羨西…

【中国茶の時間】小満のころ

物事がほぼ満足にいくとされる、二十四節気の「小満」のころ。 先月は「茶」という漢字を書き比べましたが、 今月は「茶とは何か」を、筆で冊や和紙に書きました。 「茶のバイブル」とされる「茶経」の冒頭から、お好きな一節をセレクト。 たとえば、こんな…

新茶到来!

五穀を潤す雨が降る「穀雨」のころ。 4月の新学期から、新しいお道具を使いはじめることになりました。 じゃばらになった冊は、メモがわりに。 桐箱入り和紙は、その日のテーマやトピックを清書するのに使います。 新しいお道具のはじまりは、「茶」という漢…

【中国茶の時間「茶詩・漢詩と中国茶と」春分のころ】

春分を前に、春を詠んだ漢詩二編から、 お好きな一節を筆でお帳面に書きました。 一つめの漢詩は、唐時代の詩人、韋応物の「滁州西澗〈ちょしゅうせいかん〉」。 風景画のように春の野を描写した詩です。 もう一つは、作家、永井荷風の「墨上春遊」。 こちら…

【中国茶の時間「茶詩・漢詩と中国茶と」雨水のころ】

今年はじめの中国茶を開催。 二十四節気の「雨水」は、今年は2月19日でした。 雪にかわって雨が降り、 木々の芽をふくらませる時季とされています。 今月の詩は、北宋の詩人・書家である黄庭堅の「春近〈しゅんきん〉」。 軽寒〈けいかん〉の中、降る雪を白…

【中国茶の時間「茶詩・漢詩と中国茶と」冬至のころ】

今月は、冬至にちなんだお稽古を行いました。 日の短き事至る日、古くはこの日を新しい年のはじまりとしたそうです。 はじめに、なつめと金柑を浮かべた湯を飲みました。 この時季に赤いものを食べると災いを遠ざけるいわれがあるのだそうです。 今日の漢詩…

【中国茶の時間「茶詩・漢詩と中国茶と」】小寒のころ

今月の「中国茶の時間」は、ちょっと趣向を変えた お楽しみがありました。 ふだんはお帳面に漢詩を書き写すところ、 今回は、黄先生が用意してくださった来年のカレンダーに、 お好きな一節を筆で書いていきました。漢詩は、中国最古の詩集といわれる「詩経…

【中国茶の時間「茶詩・漢詩と中国茶と」】霜降のころ

霜が降りはじめるとされる、二十四節気の「霜降〈そうこう〉」のころ。 はじめに、金木犀を浮かべた桂花紅茶を飲み、 漢詩をお帳面に書き写しました。 今月の漢詩は、白居易の「秋居書懐」。 秋の一日に心に思うことを書く。 衣食住において今あるものを受け…

【中国茶の時間「茶詩・漢詩と中国茶と」】中秋のころ

今年の中秋の名月は、9月12日でした。 これにちなんで、月にまつわる漢詩をお帳面に書き写しました。「客中月」〈かくちゅうのつき〉は、 旅人・白居易の月に対する想いの深さを詠んだもの。 李白の「峨眉山月歌〈がびさんげつのうた〉」や「月下獨酌〈げっ…

【中国茶の時間「茶詩・漢詩と中国茶と」】七夕のころ

旧暦の七夕を前に、七夕にちなんだ漢詩と中国茶を味わいました。 今年の旧暦七夕は、8月6日です。 今回の漢詩は、白居易(白楽天)の長恨歌。 七夕にまつわる一節を筆で書き写しました。 ふだんはお帳面に書くところを、七夕なので短冊に書くという趣向です…

【中国茶の時間「茶詩・漢詩と中国茶と」】夏至のころ

今月の中国茶の時間は、夏至の前日に開催しました。 中国では、夏至は「陽が極まる日」として大事にされているのだそうです。 まず、冷たい梅子湯で一服。 色づきはじめた梅の実を氷砂糖で煮たものに、 レモングラスで香りをつけたもので、清涼感が広がりま…

【中国茶の時間「茶詩・漢詩と中国茶と」】小満のころ

春の果物が実る時季、二十四節気の「小満」のころ。 まずは、八十八夜に摘まれた、 日本の新茶・嬉野茶を、茶杯で一口ずついただきました。 黄先生が選んだ詩は、「四時田園雑興」。 晩春の静かな田園風景をうたった詩です。 その詩のお好きな一節を、筆でお…

【中国茶会】紅葉のころ

紅葉が美しい時季。 まず、キーモン紅茶に シナモンや八角、クローブやバラのつぼみを加えた スパイスティーを味わってから 詩を書き写しました。 北宋の詩人、梅堯臣〈ばいきょうしん〉の 「魯山山行〈ろざんさんこう〉」という詩の一節で 秋に、銘茶の産地…

【中国茶会】 処暑のころ

毎月、季節にちなんだ漢詩を書き写し、お茶と点心を味わう中国茶会ですが、 今回は特別編。「茶経」をひもときました。 「茶経」とは7世紀頃、中国・唐の時代に陸羽が著した書物です。 当時の茶についての集大成とされ、茶経で説かれている 茶の精神は現代に…

【中国茶会】大暑のころ

梅雨が明けて、二十四節気の「大暑」のころ。 まず、氷だしの菊花茶と、氷砂糖で煮た蓮〈はす〉の実を合わせた 冷たい飲み物でのどを潤しました。 中国では、夏を涼しく過ごすために 山へ出かけることが多いそうで、 山にいる人を訪ねる漢詩三編から、好きな…