【中国茶の時間「茶詩・漢詩と中国茶と」春分のころ】

春分を前に、春を詠んだ漢詩二編から、
お好きな一節を筆でお帳面に書きました。
一つめの漢詩は、唐時代の詩人、韋応物の「滁州西澗〈ちょしゅうせいかん〉」。
風景画のように春の野を描写した詩です。


もう一つは、作家、永井荷風の「墨上春遊」。
こちらは満開の桜が登場する、爛漫の春を詠んだ漢詩
詩のなかに登場する「薄寒〈はくかん〉」は、
三寒四温がつづく、今の時季をぴったりあらわしているようです。


今月は、古いお茶を二種、飲みました。
どちらも台湾のお茶です。


1995年の文山包種〈ぶんざんほうしゅ〉は、
柑橘系のような酸味が感じられます。


もう一つは1986年、台湾の年号でいうと民国94年に作られた
「坪林老水仙」。
2回洗茶を行い、酸味のなかに見え隠れする花香を
ゆっくりと味わいました。
水仙は、文山包種のルーツとなるお茶なのだそうです。
酸化した熟成感のあるお茶を飲み比べました。

花湯は、獅子峰龍井茶と蝋梅〈ろうばい〉を合わせた、
乾輶帝好みの茶。
乾菓は、芒果(マンゴー)とトマト、花生果。
点心は、海老団子。
次回は、4月17日(火)に開催します。