【中国茶の時間】「茶詩・漢詩と中国茶と」冬至のころ


北半球では日が最も短くなる「冬至」のころ。
日本では、かぼちゃを食べたり、ゆず湯などが知られていますが、
古代中国の宮廷では、冬至は「元旦の儀」と同じくらい、
大切にされた節気だったのだそうです。


今月は、唐の詩人・白居易の「邯鄲冬至夜思家」という漢詩
お帳面に書きました。


「邯鄲駅裏逢冬至
抱膝燈前影伴身
想得家中夜深坐
還応説著遠行人」


河北省の「邯鄲(かんたん)」で一人冬至を迎える。
灯火の前に坐れば、影が我が身に一人寄り添うだけだ。
故郷では、夜更けに家族がそろって
遠く旅に出ている私のことを、きっと話しているだろう。


ちょうど冬至の頃の心境を読んだ詩です。
邯鄲は、古代・殷時代からつづき、今もある街。
秦の始皇帝の故郷でもあるのだそうです。


点心は、饅頭。
今日の中国茶は、武夷水仙茶。
花湯は、ゆずを刻んだ「ゆず茶」。