中国茶の時間「茶詩・漢詩と中国茶と」大暑のころ
一年で最も暑くなる時期とされる、二十四節気の大暑のころ。
まず、冷たい酸梅湯で涼を取り、お稽古をはじめました。
今月は、陸羽の「六羨歌」を冊に書き写しました。
その詩の全文はこちらです。
「不羨黄金壘
不羨白玉杯
不羨朝入省
不羨暮入臺
千羨萬羨西江水
會向竟陵城下來」
「羨」の字が6回も登場し、そのうち「羨ましくない」が4回、「羨ましい」が2回という
リズミカルな漢詩です。
「黄金を積み上げられても、うらやましくない。
白い翡翠の杯もうらやましくない。
高官になり、朝に皇帝に謁見したり、
夕刻に別邸で遊びに興じるのもうらやましくない。
ただ、西江(さいこう)の水を飲める人は、
千にも萬にも、うらやましい。
住んでいるところに、その水が来るのがうらやましい」の意。
『茶経』を著したことから「茶聖」と称される、陸羽。
茶を淹れるための水にこだわるとともに、
故郷を懐かしむ心地も込められています。
お好きな一節を冊に書き写していきました。
湯は、酸梅湯(サンメイタン)
乾菓は、蓮の実など
点心は、水煎包
茶は、思施玉露。陸羽の出身地、湖北省のお茶です。
来月はお休み、次回は9月18日(火)に
「中秋」をテーマに開催予定です。