中国茶の時間「茶詩・漢詩と中国茶と」夏至のころ



太陽が夏至点を通過し、北半球では昼が最も長くなる頃。
今月のお教室は、間近に迫った「夏至」がテーマでした。


今月の漢詩は、タイトルそのものが「夏至」。
北宋と元の間の、短い期間の「金」時代の詩人、
趙 秉文(ちょう へいぶん)の作です。

 七言絶句の漢詩夏至」で描かれているのは、こんな情景です。
「宮中の中心部である『玉堂(ぎょくどう)』でうたた寝から目覚め、
銅の臼で茶の葉をひく。
外はまだまだ赤い太陽が輝き、
つがいの蝶がゆっくりと、アオイの花の上に飛ぶ」。


趙 秉文は、科挙の試験をパスした役人の中でも
エリートとして活躍した人物。

宮中の中心にありながら、お茶が傍らにある
のどかな情景が描かれています。


お好きな一節を和紙に描き、詩の世界を味わいました。


詩の中にある「茶をひく」とは、抹茶のこと。
この詩にちなんで、中国茶は「安渓鉄観音」の粉茶を
いただきました。


点心は、春巻。
花湯は、青梅のコンポート。
乾菓は、マンゴーなど。


次回は、7月16日(火)に開催。
テーマは「大暑」です。