【中国茶の時間「茶詩・漢詩と中国茶と」】小満のころ


二十四節気の「小満(しょうまん)」が近づくころ。
春の新茶2種類を味わいました。

一つめは、「黄山雀舌(こうざんじゃくぜつ)」。
安徽省にある世界遺産黄山にある茶園で作られた茶葉です。
葉というよりも、まだ芽の状態の小さな茶葉です。
淡い清らかな味でした。


二つめのお茶は、「獅子峰龍井明前茶」。
清時代に皇帝専用であった茶園で作られたお茶。
緑深い土地で育った茶葉は太陽にあまり当たらないため、
水色は緑よりも黄色になるのだそうです。


このお茶は「豆香」がするといわれます。
湯を差す前に茶葉の香りをきくと、なるほど、きな粉のような香りがします。


点心は、旧暦の端午の節句にちなんで「粽(ちまき)」。
乾菓は、にがうりやミカン、トマトなどのドライフルーツ。


漢詩は、明時代の詩人・高啓(こうけい)の「偶睡」。
新茶の時期の美しい光景が目に浮かぶ詩です。
お好きな一節を和紙に書き、どの部分が気になったかを
みなさんで見せあいっこしました。


「偶睡 高啓

竹間門掩似僧居
白荳花開片雨余
一榻茶煙成偶睡
覚来猶把読残書」

(現代語訳)
竹林の中に、ひっそりと門を閉ざす家は僧の住まいのようだ。
通り雨の後、白い豆の花が咲く。
茶を炒る煙を眺めているうちに、長椅子でうたたねをしてしまった。
目が覚めると、読みかけの本はまだ手に持っていた。


6月、7月はお稽古をお休みし、
次回は8月8日(土)に「旧暦七夕茶会」を開催する予定です。
詳細は決まり次第アップします。