【英詩を楽しむ】青の美学


 英詩の豊かな世界を味わう「英詩を楽しむ」。
今月のテーマは「青の美学」でした。
「とにかく青色が好き!」という武田先生のコレクション大公開!
青い濃淡の花デルフィニュームが彩る会場で
英詩、文学、絵画、花や色の名前、青い文房具など、
青の世界にひたる時間となりました。


まずは文学についてのお話。
アンデルセンの『人魚姫』の冒頭に、青の表現が登場します。
「海をはるか沖へ出ますと、水は一番美しいヤグルマソウの花びらのように青く、
またこのうえなく澄んでいます」。(山室静・訳より)


「物語の書き出しは、著者が特に力を込めるところ。
ヤグルマソウという素朴な花が、海の深い世界をあらわすのに使われています」
と武田先生。
確かに、冒頭の表現で物語の世界に引き込む力が感じられます。


ほかにもメーテルリンクの『青い鳥』、ノヴァーリスの『青い花』、
若山牧水の短歌「白鳥は 悲しからずや空の青 海のあをにも染まずただよふ」
が紹介されました。


絵画については、ラピスラズリを使ったとされるフェルメールのブルー、
シャルダンの青、世界で「広重ブルー」と称される歌川広重が描いた青…。
絵の中の青を、画集で見ていきました。


ほかには青を表す色の名前もたくさん登場しました。
露草色、瑠璃(るり)色、浅黄(あさぎ)色、
鴨の羽根のような「ダックブルー」…。どれも想像がかきたてられるような色ばかり。


最後は、参加者みなさんの青色のドレスコードをご披露。
青を愛する武田先生ならではの講座となりました。
次回の「英詩を楽しむ」は、7月16日(水)に「犬の詩」をテーマに開きます。
詳細はこちらで掲載しています。