手にとる展覧会part3 ドーナツ盤 talk


「手にとる展覧会part3 ドーナツ盤」最終日に、
talk レコードについて」を開催しました。


お話してくださったのは、藤本由紀夫さんと八木良太さん。
ともにレコードをモチーフにした作品を発表しているアーティストです。


まず藤本さんから、A面とB面それぞれに20分ほど収録できるLP盤と
A面とB面で一曲ずつのドーナツ盤との
方式の違いについてのお話がありました。


たとえば、と例にあがったのがビートルズ
ビートルズは、LP盤とドーナツ盤それぞれの特性をふまえて
表現を使い分けた先駆けなのだそうです。


具体例として、ビートルズのヒット曲があげられました。
デビューシングル「Love Me Do」が、どのようにしてヒットチャートに上がったのか。


発売と同時に世界じゅうでドーナツ盤が売れた「Help」は、
シングルとは別に、映画の主題歌となったLPバージョンでは実験的なアレンジが加えられていたこと。


また、シングル「Hey Jude」について。
1968年の発表当時、ラジオで繰り返し流すことでヒット曲が生まれていたため
シングルは、ラジオで流しやすい2分30秒くらいまでの短いものでした。
それが「Hey Jude」は7分もあり、革命的な試みとなったこと。


作品をシングルではなく、LP盤主体で発表するというスタイルも、
ビートルズが最初だったそうです。


ほかにも、ジョン・ゾーンローリー・アンダーソンウィリアム・バロウズの3人による
3本の溝を刻んだレコードの話や、
八木さんがレコードというメディアに興味を持ったきっかけ、氷のレコードの作り方や
藤本さんのとっておきのレコードなどなど…。


単純でいて奥が深いメディア、
レコードについて、たっぷりお話を聞きました。
最後に、「手にとる展覧会」3回のシリーズは、
独楽、3D、レコードともすべてデュシャンのロトレリーフという作品とつながっている、
ということも教えていただきました。