仏教なぜなに問答

「仏教なぜなに問答」では毎月、「仏説無量寿経」というお経を読みすすめています。
この日は、第三十願から三十四願までを読みました。


そのうちの第三十三願には、現代語訳でこんなくだりがあります。
「わたしが仏になるとき、すべての数限りない仏がたの世界のものたちが、
わたしの光明に照らされて、それを身につけたなら身心柔軟になって
そのようすは天人や人々に超えすぐれるしょう」。


ここで説かれる「柔軟」は、「にゅうなん」と読み、
転じてこんな話がありました。
「柔軟」はやわらかいこと、その対局となるのが
固くてまっすぐな「強直〈ごうちょく〉」で、
どちらも人間の徳であり、
善悪で決められるものではないのだと。


「強直」は、善を入れて悪をはじく、筋の通らないことは許さないはたらき。
一方、「柔軟」は善悪ともに心の中にやわらかに入れてしまうはたらき。


「柔軟」とは、いかなるものも受け入れて
融解する「水」のようなものかも…と
お話が広がりました。